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摩訶般若波羅蜜経広乗品第十九(丹本名為四念処品)

三、ブッダ、スブーティに三十七道品を説く(三)


復次須菩提。菩薩摩訶薩摩訶衍。所謂四正懃。
何等四。
須菩提。菩薩摩訶薩未生諸惡不善法為不生故。欲生懃精進攝心行道。
已生諸惡不善法為斷故。欲生懃精進攝心行道。
(四正懃)
また次に須菩提。菩薩摩訶薩の摩訶衍とは、いわゆる四つの正しい勤めである。
四つとは何だろうか。

須菩提。菩薩摩訶薩は未だ生じていない諸々の悪・不善の事物は、生じることがないから、欲が生じれば、つとめて精進し一心に道を行じ、
已に生じた諸々の悪・不善の事物を断ちきるから、欲が生じれば、つとめて精進し一心に道を行じ、
未生諸善法為生故。欲生懃精進攝心行道。
已生諸善法為住不失修滿撩A故。
欲生懃精進攝心行道。以不可得故。
須菩提。是名菩薩摩訶薩摩訶衍。
未だ生じていない諸々の善い事物は生ずるから、欲が生じれば、つとめて精進し一心に道を行じ、
已に生じた諸々の善い事物は留まったまま失わなわれず、修め満ちて増広するから、欲が生じれば、つとめて精進し一心に道を行ずる。〈実体として〉認知することができないからである。
須菩提。これを菩薩摩訶薩の摩訶衍と名づけるのである。

復次須菩提。菩薩摩訶薩摩訶衍。所謂四如意分。
何等四。
欲定斷行成就修如意分。
心定斷行成就修如意分。
(四如意足)
また次に須菩提。菩薩摩訶薩の摩訶衍とは、いわゆる四つの神秘的の能力である。
四つとは何だろうか。
〈神秘的の能力を得ようと〉欲する瞑想は、神秘的の能力を成就し修するのを断行し、
〈神秘的の能力を得ようと〉心〈を集中する〉瞑想は、神秘的の能力を成就し修するのを断行し、
精進定斷行成就修如意分。
思惟定斷行成就修如意分。以不可得故。
須菩提。是名菩薩摩訶薩摩訶衍。
〈神秘的の能力を得ようと〉精進する瞑想は、神秘的の能力を成就し修するのを断行し、
〈神秘的の能力を得ようと〉思惟する瞑想は、神秘的の能力を成就し修するのを断行する。〈実体として〉認知することができないからである。
須菩提。これを菩薩摩訶薩の摩訶衍と名づけるのである。

復次須菩提。菩薩摩訶薩摩訶衍。所謂五根。
何等五。
信根精進根念根定根慧根。
是名菩薩摩訶薩摩訶衍。以不可得故。
(五根)
また次に須菩提。菩薩摩訶薩の摩訶衍とは、いわゆる五つの善根である。
五つとは何だろうか。
信根・精進根・念根・定根・慧根である。
これを菩薩摩訶薩の摩訶衍と名づけるのである。〈実体として〉認知することができないからである。

復次須菩提。菩薩摩訶薩摩訶衍。所謂五力。
何等五。
信力精進力念力定力慧力。
是名菩薩摩訶薩摩訶衍。以不可得故。
(五力)
また次に須菩提。菩薩摩訶薩の摩訶衍とは、いわゆる五つの能力である。
五つとは何だろうか。
信力・精進力・念力・定力・慧力である。
これを菩薩摩訶薩の摩訶衍と名づけるのである。〈実体として〉認知することができないからである。


復次須菩提。菩薩摩訶薩摩訶衍。所謂七覺分。
何等七。
菩薩摩訶薩修念覺分。依離依無染向涅槃。
擇法覺分。精進覺分。喜覺分。除覺分。定覺分。捨覺分。依離依無染向涅槃。
以不可得故。是名菩薩摩訶薩摩訶衍。

(七覚分)
また次に須菩提。菩薩摩訶薩の摩訶衍とは、いわゆる七つの覚りの要素である。
七つとは何だろうか。
菩薩摩訶薩は瞑想における正しい覚りの持続を修することによって、〈煩悩から〉離れ、〈煩悩に〉染らず涅槃に向かう。
教えの正しい評価、実践の努力、真実に喜ぶこと、柔軟性の達成、集中、外部の事物からのすべての考えの分離〈を修することによって〉、〈煩悩から〉離れ、〈煩悩に〉染らず涅槃に向かうのである。
〈実体として〉認知することができないからである。これを菩薩摩訶薩の摩訶衍と名づけるのである。

復次須菩提。菩薩摩訶薩摩訶衍。所謂八聖道分。
何等八。
正見正思惟正語正業正命正精進正念正定。
是名菩薩摩訶薩摩訶衍。以不可得故。
(八聖道)
また次に須菩提。菩薩摩訶薩の摩訶衍とは、いわゆる八つの正しい道である。
八つとは何だろうか。
正しい見方・正しい考え・正しい言葉・正しい行動・正しい暮らし・正しい努力・正しい注意深さ・正しい集中である。
これを菩薩摩訶薩の摩訶衍と名づけるのである。〈実体として〉認知することができないからである。
(以上四念処から合わせて三十七道品)

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著作 アルキメデスの館