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摩訶般若波羅蜜経問乗品第十八(丹本名為摩訶衍品)

三、ブッダ、十八種の空が菩薩の摩訶衍であることを説き詳説する(二)

何等為畢竟空。
畢竟名諸法畢竟不可得。
非常非滅故。
何を究極の空というのであろうか。
究極とは諸々の事物は究極的に〈実体として〉認知できないから名づけるのである。
恒常でなく、断滅するのでもないからである。
何以故。
性自爾。
是名畢竟空。
なぜであろうか。
本性は自ずからそのようにあるからである。
これを究極の空と名づけるのである。
何等為無始空。
若法初來處不可得。
非常非滅故。
何を始めがない空というのであろうか。
例えば事物の初めて現れるところは〈実体として〉認知できない。
恒常でなく、断滅するのでもないからである。
何以故。
性自爾。
是名無始空。
なぜであろうか。
本性は自ずからそのようにあるからである。
これを始めがない空というのである。
何等為散空。
散名諸法無滅。
非常非滅故。
何を分散した空というのであろうか。
分散は諸々の事物は滅することがないことに名づけるのである。
恒常でなく、断滅するのでもないからである。
何以故。
性自爾。
是為散空。
なぜであろうか。
本性は自ずからそのようにあるからである。
これを分散した空と名づけるのである。
何等為性空。
一切法性。若有為法性若無為法性。是性非聲聞辟支佛所作。非佛所作亦非餘人所作。
是性性空非常非滅故。
何を本性の空というのであろうか。
一切の事物の本性、若しは因縁によって生滅変化する事物の本性、若しは生滅変化しない事物の本性、この本性は声聞・辟支仏のなす所ではなく、仏のなす所ではない、また余人のなす所でもないのである。
この本性の本性であることは空である。恒常でなく、断滅するのでもないからである。
何以故。
性自爾。
是名性空。
なぜであろうか。
本性は自ずからそのようにあるからである。
これを本性の空と名づけるのである。
何等為自相空。
自相名色壞相。受受相。想取相。行作相。識識相。
如是等有為無為法各各自相空。非常非滅故。
何を自らの姿かたちの空というのであろうか。
自らの姿かたちは物質的存在の壊する姿かたち、感覚の感覚としての姿かたち、知覚の取としての姿かたち、意志の行為としての姿かたち、意識の意識としての姿かたちに名づけるのである。
これらのような恒常的でなく・生滅変化しない事物とは各々自らの姿かたちは空であり、恒常でなく、断滅するのでもないからである。
何以故。
性自爾。
是名自相空。
なぜであろうか。
本性は自ずからそのようにあるからである。
これを自らの姿かたち空と名づけるのである。
何等為諸法空。
諸法名色受想行識。
眼耳鼻舌身意。
色聲香味觸法。
眼界色界眼識界。乃至意界法界意識界。
是諸法諸法空。非常非滅故。
何を諸々の事物の空というのであろうか。
諸々の事物とは物質的存在・感覚・知覚・意志・意識、
眼・耳・鼻・舌・身・心、
色・音・臭い・味・触・事物、
さらに眼の領域・色の領域・眼識の領域から、心の領域・事物の領域・意識の領域までに名づけるのである。
この諸々の事物の諸々の事物であることは空である。恒常でなく、断滅するのでもないからである。
何以故。
性自爾。
是為諸法空。
なぜであろうか。
本性は自ずからそのようにあるからである。
これを諸々の事物の空というのである。
何等為不可得空。
求諸法不可得
是不可得空。非常非滅故。
何を〈実体として〉認知することのできない事物の空というのであろうか。
諸々の事物は求めても認知することができない、
この認知することのできないことは空である。恒常でなく、断滅するのでもないからである。
何以故。
性自爾。
是名不可得空。
何等為無法空。
若法無是亦空。非常非滅故。
なぜであろうか。
本性は自ずからそのようにあるからである。
これを認知することのできない事物の空と名づけるのである。
何を存在しない事物の空というのであろうか。
例えば事物のないこと、これはまた空である。恒常でなく、断滅するのでもないからである。
何以故。
性自爾。
是名無法空。
なぜであろうか。
本性は自ずからそのようにあるからである。
これを存在しない事物の空と名づけるのである。
何等為有法空。
有法名諸法和合中有自性相。
是有法空非常非滅故。
何を存在する事物の空というのであろうか。
存在する事物とは、諸々の事物は和合の中に自らの本性の姿かたちがあるから名づけるのである。
この存在する事物は空である。恒常でなく、断滅するのでもないからである。
何以故。
性自爾。
是名有法空。
なぜであろうか。
本性は自ずからそのようにあるからである。
これを存在する事物の空と名づけるのである。
何等為無法有法空。
諸法中無法。諸法和合中有自性相。
是無法有法空非常非滅故。
何を存在せず存在する事物の空というのであろうか。
諸々の事物の中に事物はなく、諸々の事物は和合の中に自らの本性の姿かたちがある。
この存在せず存在する事物は空である。恒常でなく、断滅するのでもないからである。
何以故。
性自爾。
是名無法有法空。

なぜであろうか。
本性は自ずからそのようにあるからである。
これを存在せず存在する事物の空と名づけるのである。

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