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摩訶般若波羅蜜経問乗品第十八(丹本名為摩訶衍品)

二、ブッダ、十八種の空が菩薩の摩訶衍であることを説き詳説する(一)

復次須菩提。菩薩摩訶薩復有摩訶衍。
所謂。
空。外空。外空。空空。大空。第一義空。有為空。無為空。畢竟空。無始空。散空。性空。自相空。諸法空。不可得空。無法空。有法空。無法有法空。
また次に須菩提。菩薩摩訶薩にまた別の摩訶衍があるのである。
いわゆる、内面の空、外面の空、内面および外面の空、空の空、大きな空、最重要意義の空、因縁によって生滅変化する事物の空、生滅変化しない事物の空、究極の空、始めがない空、分散した空、性質の空、自らの姿かたちの空、諸々の事物の空、認知することのできない事物の空、存在しない事物の空、存在する事物の空、存在せず存在する事物の空である」
(十八空)
須菩提白佛言。
何等為
空。
佛言。
法名眼耳鼻舌身意。
眼眼空非常非滅故。
須菩提が仏に申し上げた。
「何を内面の空というのでしょうか」
仏が言った。

「内面の事物とは眼・耳・鼻・舌・身体・心に名づけるのである。
眼・眼の空は恒常でなく、断滅するのでもないからである。
何以故。
性自爾。
耳耳空鼻鼻空舌舌空身身空意意空。非常非滅故。
なぜであろうか。
本性は自ずからそのようにあるからである。

耳・耳の空、鼻・鼻の空であり、舌・舌の空であり、身体・身体の空であり、心・心の空は恒常でなく、断滅するのでもないからである。
何以故。
性自爾。
是名
空。
なぜであろうか。
本性は自ずからそのようにあるからである。
これを内面の空と名づけるのである。
何等為外空。
外法名色聲香味觸法。
色色空非常非滅故。
何を外面の空というのであろうか。
外面の事物とは色・音・臭い・味・触・事物に名づけるのである。
色・色の空は恒常でなく、断滅するのでもないからである。
何以故。
性自爾。
聲聲空香香空味味空觸觸空法法空。非常非滅故。
なぜであろうか。
本性は自ずからそのようにあるからである。
音の音であることは空であり、臭いの臭いであることは空であり、味の味であることは空であり、触の触であることは空であり、事物の事物であることは空である。恒常でなく、断滅するのでもないからである。
何以故。
性自爾。
是名外空。
なぜであろうか。
本性は自ずからそのようにあるからである。
これを外面の空と名づけるのである。
何等為外空。
外法名六入外六入。
法空非常非滅故。
何を内面および外面の空というのであろうか。
内面および外面の事物とは内面の六入
(眼・耳・鼻・舌・身体・心)・外面の六入(色・音・臭い・味・触・事物)に名づけるのである。
内面の事物・内面の事物の空は恒常でなく、断滅するのでもないからである。
何以故。
性自爾。
外法外法空非常非滅故。
なぜであろうか。
本性は自ずからそのようにあるからである。
外面の事物・外面の事物の空は恒常でなく、断滅するのでもないからである。
何以故。
性自爾。
是名
外空。
なぜであろうか。
本性は自ずからそのようにあるからである。
これを内面および外面の空と名づけるのである。
何等為空空。
一切法空是空亦空非常非滅故。
何を空の空というのであろうか。
一切の事物は空であり、この空とすることはまた空である。恒常でなく、断滅するのでもないからである。
何以故。
性自爾。
是名空空。
なぜであろうか。
本性は自ずからそのようにあるからである。
これを空の空と名づけるのである。
何等為大空。
東方東方相空。非常非滅故。
何を大きな空というのであろうか。
東方・東方の姿かたちの空は恒常でなく、断滅するのでもないからである。
何以故。
性自爾。
南西北方四維上下。南西北方四維上下空。非常非滅故。
なぜであろうか。
本性は自ずからそのようにあるからである。
南西北方四維上下・南西北方四維上下の空は恒常でなく、断滅するのでもないからである。
何以故。
性自爾。
是名大空。
なぜであろうか。
本性は自ずからそのようにあるからである。
これを大きな空と名づけるのである。
何等為第一義空。
第一義名涅槃。
涅槃涅槃空非常非滅故。
何を最重要意義の空というのであろうか。
最重要意義は涅槃
(ニルバーナ:煩悩の炎が吹き消された状態、すべての精神的かつ肉体的な解脱の総合状態)に名づけるのである。
涅槃・涅槃の空は恒常でなく、断滅するのでもないからである。
何以故。
性自爾。
是名第一義空。
なぜであろうか。
本性は自ずからそのようにあるからである。
これを最重要意義の空と名づけるのである。
何等為有為空。
有為法名欲界色界無色界。
欲界欲界空。色界色界空。無色界無色界空。非常非滅故。
何の因縁によって生滅変化する事物の空というのであろうか。
因縁によって生滅変化する事物とは欲界・色界・無色界に名づけるのである。
欲界・欲界の空、色界・色界の空、無色界・無色界の空は恒常でなく、断滅するのでもないからである。
何以故。
性自爾。
是名有為空。
なぜであろうか。
本性は自ずからそのようにあるからである。
この因縁によって生滅変化する事物の空と名づけるのである。
何等為無為空。
無為法名若無生相無住相無滅相。
無為法無為法空非常非滅故。
何を生滅変化しない事物の空というのであろうか。
生滅変化しない事物とは若しは生ずることのない姿かたち・留まることのない姿かたち・滅することのない姿かたちに名づけるのである。
生滅変化しない事物・生滅変化しない事物の空は恒常でなく、断滅するのでもないからである。

何以故。
性自爾。
是為無為空。

なぜであろうか。
本性は自ずからそのようにあるからである。
これを生滅変化しない事物の空というのである。

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著作 アルキメデスの館