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摩訶般若波羅蜜経荘厳品第十七

三、スブーティ、菩薩摩訶薩の大荘厳はしないことが大荘厳であることを説明する

爾時須菩提白佛言。
世尊。如我從佛所聞義。菩薩摩訶薩無大莊嚴為大莊嚴。
そのとき須菩提が仏に申し上げた。
「世尊。私が仏から意義を聞いたとおり、菩薩摩訶薩の大荘厳はしないことが大荘厳であるのです。
諸法自相空故。
所謂色色相空。受想行識識相空。
それは諸々の事物の自らの姿かたちは空であるからです。
いわゆる物質的存在・物質的存在の姿かたちは空です。感覚・知覚・意志・意識・識の姿かたちは空です。
眼眼相空。乃至意意相空。 眼・眼の姿かたちは空です。さらに心・心の姿かたちまでは空です。
色色相空。乃至法法相空。 色・色の姿かたちは空です。さらに事物・事物の姿かたちまでは空です。
眼識眼識相空。乃至意識意識相空。
視覚・視覚の姿かたちは空です。さらに認知機能・認知機能の姿かたちまでは空です。
眼觸眼觸相空。乃至意觸意觸相空。 眼と外界との接触・眼と外界との接触の姿かたちは空です。さらに心と外界との接触・心と外界との接触の姿かたちまでは空です。
眼觸因生受受相空。乃至意觸因生受受相空。 眼と外界との接触により生じる判断・〈眼と外界との接触により生じる〉感覚の姿かたちは空です。さらに心と外界との接触により生じる判断・〈心と外界との接触により生じる〉感覚の姿かたちまでは空です。
世尊。檀那波羅蜜檀那波羅蜜相空。乃至般若波羅蜜般若波羅蜜相空。 世尊。檀那波羅蜜・檀那波羅蜜の姿かたちは空です。さらに般若波羅蜜・般若波羅蜜の姿かたちまでは空です。
空相空。乃至無法有法空。無法有法空相空。 内面の空・内面の空の姿かたちは空です。さらに存在せず存在する事物の空・存在せず存在する事物の空の姿かたちまでは空です。
四念處四念處相空。乃至十八不共法十八不共法相空。 四つの観行・四つの観行の姿かたちは空です。さらに十八の〈仏以外には〉具わらない事物・十八の〈仏以外には〉具わらない事物の姿かたちまでは空です。
菩薩菩薩相空。 菩薩・菩薩の姿かたちは空です。
世尊。以是因故。當知菩薩摩訶薩無大莊嚴為大莊嚴。 世尊。こういうわけで、まさに菩薩摩訶薩の大荘厳は無いことが大荘厳であると知るべきです」
佛告須菩提。
如是如是如汝所言。須菩提。薩婆若非作法。
生亦非作法。菩薩為是生大莊嚴。
仏は須菩提に次のように説いた。
「そのとおり、そのとおり、汝のいうとおりである。須菩提。薩婆若は作られた事物ではなく、衆生もまた作られた事物ではなく、菩薩はこの衆生のために大荘厳するのである」

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著作 アルキメデスの館