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摩訶般若波羅蜜経弁才品第十五(丹本名為富楼那品)

一、プールナマイトラーヤニープトラ、菩薩は大誓荘厳するから摩訶薩と名づけると説明する

爾時富樓那彌多羅尼子白佛言。
世尊。我亦樂
所以為摩訶薩。
佛言。
便
そのとき富楼那弥多羅尼子(プールナマイトラーヤニープトラ)が仏に申し上げた。
「世尊。私もまた摩訶薩
(マハーサットヴァ:偉大な衆生)と呼ぶ理由を説明することを願います」
仏が言った。
「解り易く説明しなさい」
富樓那彌多羅尼子言。
是菩薩大誓
SAT版欠誓字)莊嚴
是菩薩發趣大乘。
是菩薩乘於大乘。
以是故。是菩薩名摩訶薩。
富楼那弥多羅尼子が言った。
「この菩薩は大誓荘厳します。
この菩薩は大乗
(覚りの境地に運ぶ大きな乗り物)に発趣します。
この菩薩は大乗に乗ります。
こういうわけで、この菩薩を摩訶薩と名づけるのです」
舍利弗語富樓那言。
云何名菩薩摩訶薩大誓莊嚴。
舎利弗が富楼那に語らった。
「どうして菩薩摩訶薩の大誓荘厳と名づけるのだろうか」
富樓那語舍利弗。
菩薩摩訶薩不分別為爾所人故住檀那波羅蜜行檀那波羅蜜。
為一切
生故。住檀那波羅蜜行檀那波羅蜜。
富楼那は舎利弗に語らった。
「菩薩摩訶薩は分け隔てして、そこの人だけのために檀那波羅蜜
(ダーナ:布施+パーラミター:到彼岸、布施の超越)に留まり、檀那波羅蜜を行じません。
一切の衆生のために檀那波羅蜜に留まり、檀那波羅蜜を行じるのです。
不為爾所人故。住尸羅波羅蜜行尸羅波羅蜜。提波羅蜜毘梨耶波羅蜜禪那波羅蜜般若波羅蜜。
為一切
生故。住般若波羅蜜行般若波羅蜜。
その場所の人のために尸羅波羅蜜(シーラ:持戒、〜の超越)に留まり、尸羅波羅蜜・提波羅蜜(クシャーンティ:忍辱、〜の超越)・毘梨耶波羅蜜(ヴィーリャ:精進、〜の超越)・禅那波羅蜜(ディヤーナ:三昧、〜の超越)般若波羅蜜(プラジニャー:智慧、〜の超越)を行じないのです。
一切の衆生のために般若波羅蜜に留まり、般若波羅蜜を行じるのです。
菩薩摩訶薩大誓莊嚴。不齊限生。
我當度若干人不度餘人。
菩薩摩訶薩は大誓荘厳し、衆生を限定し、
『私はまさに若干の人を救うべきで、その他の人々を救わない』としません。
不言我令若干人至阿耨多羅三藐三菩提。餘人不至。 『私は若干の人をして阿耨多羅三藐三菩提(アヌッタラサムャクサンボーディ、最上にして普遍的の覚り)に至らしめ、その他の人々は至らしめない』といいません。
是菩薩摩訶薩普為一切生故大誓莊嚴。 この菩薩摩訶薩は、普く一切の衆生のために大誓荘厳するのです。
復作是念。
我當自具足檀那波羅蜜。亦令一切
生行檀那波羅蜜。
また次のように思います。
『私はまさに自ら檀那波羅蜜を具足し、また一切の衆生をして檀那波羅蜜を行じさせよう。
自具足尸羅波羅蜜提波羅蜜毘梨耶波羅蜜禪那波羅蜜。
自具足般若波羅蜜。亦令一切
生行般若波羅蜜。
自ら尸羅波羅蜜・提波羅蜜・毘梨耶波羅蜜・禅那波羅蜜を具足し、
自ら般若波羅蜜を具足し、また一切の衆生に般若波羅蜜を行じさせよう』

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著作 アルキメデスの館