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摩訶般若波羅蜜経勧学品第八

四、スブーティ、心の姿かたちは常に浄らかなことを説く

復次舍利弗。菩薩摩訶薩欲學般若波羅蜜應如是學。
不念色受想行識。
不念眼乃至意。
不念色乃至法。
不念檀那波羅蜜尸羅波羅蜜
提波羅蜜毘梨耶波羅蜜禪那波羅蜜般若波羅蜜乃至十八不共法。
また次に舎利弗、菩薩摩訶薩が般若波羅蜜を学ぼうと思うならば、まさに次のように学ぶべきです、
物質的存在・感覚・知覚・意志・意識を思わない、
眼から心までを思わない、
物質的存在から事物までを思わない、
檀那波羅蜜・尸羅波羅蜜・
提波羅蜜・毘梨耶波羅蜜・禅那波羅蜜・般若波羅蜜、さらには十八の〈仏以外には〉具わらない事物までを思わないことです。
如是舍利弗。菩薩摩訶薩行般若波羅蜜。
得是心不應念不應高。
無等等心不應念不應高。
大心不應念不應高。
このように舎利弗、菩薩摩訶薩は般若波羅蜜を行ずるに、
この心をまさに思ってはならず、まさに高くしてはならず、
等しいもののまったくない心をまさに思ってはならず、まさに高くしてはならず、
大心をまさに思ってはならず、まさに高くするべきではありません。
何以故。
是心非心。心相常淨故。
舍利弗語須菩提。
云何名心相常淨。
なぜでしょうか。
これらの心は心ではなく、心の姿かたちは常に浄いからです」
舎利弗が須菩提に語った。
「どうして心の姿かたちは常に浄いというのでしょうか」
須菩提言。
若菩薩知是心相。與婬怒癡不合不離。
諸纏流縛若諸結使。一切煩惱不合不離。
聲聞辟支佛心不合不離。
舍利弗。是名菩薩心相常淨。
須菩提が言った。
「たとえば菩薩の心の姿かたちは、みだらさ・怒り・おろかさと合せず離れず、
諸々の纏・流縛・若しは諸々の結使、一切の煩悩と合せず離れず、
声聞・辟支仏の心と合せず離れないと知ります。
舎利弗、これを菩薩の心の姿かたちが常に浄いと名づけるのです」
舍利弗語須菩提。
有是無心相心不。
舎利弗が須菩提に語った。
「この心の姿かたちがない心というのはあるのでしょうか」
須菩提報舍利弗言。
無心相中。有心相無心相可得不。
須菩提が舎利弗に答えた。
「心の姿かたちがない中に、心の姿かたちがあるとか心の姿かたちがない、ということを知るということがあるでしょうか」
舍利弗言。
不可得。
舎利弗が言った。
「知られません」
須菩提言。
若不可得。不應問有是無心相心不。
須菩提が言った。
「若し知られなければ、まさにこの心の姿かたちがない心があるかどうかを尋ねることはできません」
舍利弗復問。
何等是無心相。
舎利弗がまた尋ねた。
「この心の姿かたちがないとはどういうことでしょうか」
須菩提言。
諸法不壞不分別。
是名無心相。
須菩提が言った。
「諸々の事物を破壊せず、分別しない、
これを心の姿かたちがないと言うのです」
舍利弗復問須菩提。
但是心不壞不分別。
色亦不壞不分別。
乃至佛道亦不壞不分別耶。
舎利弗がまた須菩提に尋ねた。
「ただこの心だけが、諸々の事物を破壊せず、分別せず、
物質的存在もまた破壊せず、分別せず、
あるいは仏道もまた破壊せず、分別しないのでしょうか」

須菩提言。
若能知心相不壞不分別。是菩薩亦能知色乃至佛道不壞不分別。

須菩提が言った。
「もし心の姿かたちを破壊せず、分別しないことができると知れば、
この菩薩はまた物質的存在あるいは仏道を破壊せず、分別しないことができるのだと知るでしょう」

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著作 アルキメデスの館