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摩訶般若波羅蜜経習応品第三

四、般若波羅蜜と相応することの意義を説く

舍利弗白佛言。
世尊。菩薩摩訶薩云何習應般若波羅蜜與般若波羅蜜相應。
佛告舍利弗。
舎利弗が、仏に申し上げた。
「世尊、菩薩摩訶薩が般若波羅蜜に習い応じ、般若波羅蜜と相応するとは、どういうことをいうのでしょうか」
仏は舎利弗に次のように説いた。
菩薩摩訶薩習應色空。
是名與般若波羅蜜相應。
習應受想行識空。
是名與般若波羅蜜相應。
「菩薩摩訶薩が、物質的存在は空であることに習い応ずる、
これを般若波羅蜜と相応すると呼ぶ。
感覚・知覚・意志・意識も空であることに習い応ずる、
これを般若波羅蜜と相応すると呼ぶ。
復次舍利弗。菩薩摩訶薩習應眼空。
是名與般若波羅蜜相應。
習應耳鼻舌身心空。
是名與般若波羅蜜相應。
また次に舎利弗、菩薩摩訶薩が、眼は空であることに習い応ずる、
これを般若波羅蜜と相応すると呼ぶ。
耳・鼻・舌・身体・心も空であることに習い応ずる、
これを般若波羅蜜と相応すると呼ぶ。
習應色空。
是名與般若波羅蜜相應。
習應聲香味觸法空。
是名與般若波羅蜜相應。
色は空であることに習い応ずる、
これを般若波羅蜜と相応すると呼ぶ。
音・臭い・味・触れるもの・事物も空であることに習い応ずる、
これを般若波羅蜜と相応すると呼ぶ。
習應眼界空色界空眼識界空。
是名與般若波羅蜜相應。
習應耳聲識。
鼻香識。
舌味識。
身觸識。
意法識界空。
是名與般若波羅蜜相應。
眼の領域は空であること・色の領域は空であること・視覚の領域は空であることに習い応ずる、
是を般若波羅蜜と相応すると呼ぶ。
耳と音と〈聴〉覚、
鼻と臭いと〈嗅〉覚、
舌と味と〈味〉覚、
身体と触と〈触〉覚、
心と事物と〈心による〉認知機能の領域は空であることに習い応ずる、
これを般若波羅蜜と相応すると呼ぶ。
習應苦空。是名與般若波羅蜜相應。習應集滅道空。
是名與般若波羅蜜相應。
苦は空であることに習い応ずる、
これを般若波羅蜜と相応すると呼ぶ。
集・滅・道も空であることに習い応ずる、
これを般若波羅蜜と相応すると呼ぶ。
習應無明空。
是名與般若波羅蜜相應。
習應行識名色六入觸受愛取有生老死
SAT版有生字)空。
是名與般若波羅蜜相應。
無明は空であることに習い応ずる、
これを般若波羅蜜と相応すると呼ぶ。
行・識・名色・六入・触・受・愛・取・有・生・老死も空であることに習い応ずる、
これを般若波羅蜜と相応すると呼ぶ。
習應一切諸法空。若有為若無為。
是名與般若波羅蜜相應。
復次舍利弗。菩薩摩訶薩習應性空。
是名與般若波羅蜜相應。
一切諸々の事物は空であること、例えば因縁によって生滅変化する事物〈は空であること〉、例えば生滅変化しない事物〈は空であること〉に習い応ずる、
これを般若波羅蜜と相応すると呼ぶ。
また次に舎利弗、菩薩摩訶薩が、本性は空であることに習い応ずる、
これを般若波羅蜜と相応すると呼ぶのである。
如是舍利弗。菩薩摩訶薩行般若波羅蜜。
習應七空。所謂性空自相空諸法空無所得空無法空有法空無法有法空。
是名與般若波羅蜜相應。

このように舎利弗、菩薩摩訶薩が般若波羅蜜を行じ、
七空いわゆる『本性の空、自らの表相の空、諸々の事物の空、得ることのできない事物の空、存在しない事物の空、存在する事物の空、存在せず存在する事物の空』に習い応ずる、
これを般若波羅蜜と相応すると呼ぶのである」

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著作 アルキメデスの館